神石高原町文化連盟美術展    


神石高原町文化連盟美術展
〜備前市・神石高原町 文化芸術交流協定記念事業〜

■開催日時:2025年12月7日(日)~21日(日)9:00~17:00(最終入場16:30)
■会場:備前市美術館 展示室0(岡山県備前市伊部1659-6)
■入場料:無料
■主催:神石高原町文化連盟
■共催:神石高原町、備前市

備前市・神石高原町の文化芸術交流協定記念事業として、神石高原町文化連盟の主催により美術展を開催します。両市町が築いてきた文化交流の絆を形にする記念の機会として、書8点、絵画4点、彫塑2点、工芸2点の計16点を一堂に展示します。多様な表現ジャンルが互いを引き立て合い、地域の歴史と未来を自由に結ぶ対話の場となることを目指します。

▪️本展の見どころ

──書──
書は技法の多様性と筆致の躍動感が最大の魅力であり、墨の深い黒と紙の質感が生み出す静と動の対話を体感できる構成です。力強い一筆が空間を切り裂くような迫力を生む一方で、緩やかな筆致が呼吸を感じさせる作品もあり、表現の幅広さを実感していただけます。漢字と仮名、古典と現代の感性が混ざり合い、文字の形そのものが絵画的な情感を帯びる瞬間も見どころです。訪れる人々は、文字が語る物語と作者の内面の想いを読み取り、書の領域がいかに多様な解釈を許すかを見つめ直すでしょう。

──絵画──
風景、人物、抽象といった多様な表現が並ぶ絵画は、地域の自然や暮らしの風景を映し出すと同時に、観る者の内面にも光を灯します。光と影の変化、色彩の温度と冷たさの対比が、見る者の記憶や感情を喚起する設えとなっています。季節感や祭りの情景を描く作品は、地域固有の時間軸を呼び戻し、遠く離れた観客にも「ここにいる意味」を感じさせます。同じ題材でも画家ごとに異なる視点で表現しており、対話の幅を広げる力を持っています。

──彫塑・工芸──
彫塑と工芸は、素材と形の関係を再考させる場です。彫塑は木・石・金属など異なる素材の特性を活かし、空間に触れられる立体美を追求します。作品の体積と空隙が、観る者の歩幅と呼吸とリンクし、視覚だけでなく触覚的な想像を喚起します。工芸は日常の営みと美の境界を揺さぶる役割を担い、地場の素材感と現代的デザインの融合が魅力を放ちます。伝統の技術を現代的な感覚で再解釈した作品は、使う喜びと手仕事の温かさを同時に伝え、観客に“手仕事の未来”を感じさせます。

▪️展示作品

彫塑 (故)大杉登《明星観音》
絵画  若林佐都子《洋梨》
工芸  藤田毅《焼締徳利》
絵画 (故)迫田晃《帝釈峡》
書  三石真弓《つなぐ》

▪️主催者メッセージ

本展を通じて最も伝えたいのは、二つの市町が互いの文化資源を尊重し協働することが、地域を豊かに育てる力になるというメッセージです。単なる鑑賞機会に留まらず、子どもから大人までが創造性を開くきっかけとなることをめざします。

若手作家の新鮮な感性と経験豊かな作家の視点が並ぶことで、伝統と現代性が自然に混ざり合い、新たな地域の文化アイデンティティを育みます。作品を通じて「私たちの暮らす街には、こんな表現がある」という発見と誇りを得てくれることを期待します。

また、本展は地域を超えた対話の入口でもあります。備前市の歴史と神石高原町の自然が織りなす風土を、現代美術の多様な語彙で語り合い、世代間の境界を越えた共感を育みます。本展をきっかけに皆さまが創作の意味を見つけ、「文化芸術の習慣性」が芽吹き、それが日常の一部となっていくことを願っています。そうした広がりが、地域の人材育成や観光・文化産業の活性化にもつながると確信しています。

最後に、本展は、地域の魅力を内外へ発信する窓口となり、次代につなぐ創造的な連携の第一歩です。皆さまが地域の歴史と可能性を新たに認識し、文化芸術を暮らしの一部として感じていただけること、そして二市町が紡ぐ未来への道筋を感じ取っていただけることを願っています。


主催 神石高原町文化連盟
共催 神石高原町、備前市


お問い合わせ

神石高原町文化連盟(神石高原町未来創造課内)
TEL 0847-89-3332

その他の展示

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