
7/12(土)-10/31(金)、備前市美術館 1階 展示室0にて「定窯の現代陶芸─天下無双─」の開催が決定しました。
開館記念特別展「ピカソの陶芸─いろとかたちの冒険─」「備前の現代陶芸:至極の逸品」とあわせて、中国の名窯の現代陶芸をお楽しみください。
定窯の現代陶芸─天下無双─
<会期>2025年7月12日(土)〜2025年10月31日(金)
<会場>備前市美術館 展示室0
<開館時間>9:00~17:00(最終入場16:30)
※毎週月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休館)
<チケット料金>入場無料
この企画展について
中国河北省保定市曲陽県にある「定窯(ていよう)」は、宋代の白磁を焼成したことで知られ、五大名窯の一つに数えられている歴史的な名窯です。しかし、明代に青花(染付)が隆盛になると、歴史の中に埋もれていきました。
20世紀に定窯の窯跡が発見されると、定窯白磁の再現が精力的に取り組まれ、現在は、刻花(彫刻模様)などの伝統技法の継承とともに新しい陶芸への模索が続いています。
本展では、定窯を代表する現代の陶芸家7人の作品と歴史ある定窯白磁のレプリカ、全18点を展示します。どれも伝統的な美しさを活かしながら新しい表現を模索する、作家の意欲を感じる作品ばかりです。
定窯と備前焼は、施釉陶磁器と無釉の焼き締め陶器と一見対照的ですが、歴史的生産地が未来を拓いていこうとする姿勢や課題には共通するものがあります。ぜひ「備前の現代陶芸:至極の逸品」展と共に両産地の現代陶芸をご覧ください。
※備前市は、日中陶磁器文化交流活動での曲陽県訪問を機に、2025年1月に友好都市協定を締結しました。本展はその一環で開催するものです。
※2025年10月の「備前焼まつり」では、定窯の作家たちの作品販売も予定しています。

パン・ヨンフィ《白釉刻花瓶》

イェン・ユーウェイ《山・海・魚二》

シュエ・シンリン《定窑黄釉帝王瓶》
出品作家

イェン・ユーウェイ
1980年8月生まれ。曲陽県衛泥坊陶芸スタジオ芸術監督。河北省工芸美術大師、「三三三人才工程」専門家などの称号を獲得。定窯粗磁の創始者として、白磁を基盤に定窯粗磁生産を復活させ、陶磁器業界の空白を埋めた。曲陽石彫の彫刻技法と定磁伝統焼成技術、革新的な文化要素を融合させ「土と火に魂を吹込む伝道者」として活躍している。

パン・シャオジャン
1987年5月生まれ。中国工芸美術学会会員、河北省工芸美術大家、保定市無形文化邉産代表的伝承者。定窯の旧家に生まれ、幼い頃から伝統的な定窯技術を学び、2014年に清華大学研究班に参加。2016年に三克陶登制品有限公司を設立。知識継承と人材育成の役割を担い、多くの若者に定磁技術を伝授。定磁の普及と発展に積極的に貢献している。

パン・ヨンフィ
1973年6月生まれ。河北省曲陽陳氏定窯磁器有限公司の芸術監督を務め、正高級工芸美術師である。中国工芸美術大師、国家級無形文化遺産プロジェクト代表継承者、第13期・第14期全国人民代表大会代表でもある。中国工芸美術協会副理事長、河北省工芸美術協会副会長、中国五大名窯専門委員会副主任、曲陽定窯協会会長を兼任。

チェン・ウェイ
1984年6月生まれ。現在、河北省曲陽陳氏定窯磁器有限公司の若手デザイナー、河北省工芸美術大師、「三三三人才工程」専門家。定窯の輿轢成形や彫刻技術に長けている一方、詩・書画・篆刻にも精通し、執筆活動も行う。型にはまらず、様々な分野の長所を取り入れた革新芸術を追求し、静謡(せいひつ)で教養溢れる文人風の創作スタイルを確立。作品は数多くの国家級賞を受賞。

バイ・ヤオリャン
1976年11月生まれ。河北省工芸美術大師、工芸美術業界芸術大師、河北大学特任教授、中国工芸美術協会理事。作品は数多くの国家級贄を受賞。複数の作品が中国の国家級博物館に収蔵。1993年に石彫の道に入り、2001年に天宇彫刻学校を設立、2004年から2008年まで曲陽定磁有限責任公司に従事。2017年10月、曲陽県大宋秋鴻定磁文化創意有限公司を創立。

シュエ・シンリン
1973年11月生まれ。現在、弘伝定窯創始者、曲陽定窯研究所所長。2012年以降、9大釉薬系統を体系化し、50種以上の新釉薬を開発、定窯復興の基盤を築く。2014年には健康機能陶磁器の研究開発に着手し、負イオン健康陶磁器の開発に成功。さらに1850℃という超高温度・高圧による玉化陶磁器の開発にも成功し、独創的な文化創意商品を生み出している。

ハン・ジャンチャオ
1987年4月生まれ。少年時代に父・韓春傑より定窯焼成技術を学び、定窯スタジオを設立。主に伝絹的な復古定窯磁器の生産に従事する。20年以上にわたる定窯業界での経験を積み、宋代の古陶磁鑑定などに幅広い知見を持つ。特に定窯窯系の開発においては、伝統を継承し古法を厳守。最も素朴で伝統的な磁器制作技術を持っている。

河北省曲陽陳氏定窯磁器有限公司
1992年に設立され、国家級無形文化遺産「定窯焼製技術」を継承した国家博物館指定生産工場として認定。陳文増(チェン・ウェンズン)と虚永輝(パン・ヨンフイ)をはじめとする二代にわたる職人たちの努力により、中国伝統の技を光らせ、定窯に新たな時代を切り開くという理念を実現。現在では復古磁器、美術磁器、日用磁器の3つの分野において、数百種類に及ぶ製品を生産している。
主催 備前市美術館
共催 岡山県備前市、中華人民共和国河北省保定市曲陽県、一般財団法人備前市文化芸術振興財団
お問い合わせ
備前市美術館
岡山県備前市伊部 1659-6
電話:0869-64-1400(9:00〜17:00、月曜休館)
Email:bzbijutsu@city.bizen.lg.jp